井手町商工会青年部長 田中 誠(たなか まこと)部長

メインは2014年から始めた婚活事業で、毎年10月末に開催しています。かなり評判で、20対20のうち毎年半分近くがカップルになります。地元の人を中心に、最近は井手町に興味のある方なら参加できます。1対1のトークタイムの後、アウトドアで、バーベキュー、カレーやピザなどを作って食事。その後、仲良くなれるゲームをしてから、最後にカップリングします。2017年度は、フォトロゲイニング※で井手町の名所を撮影してもらいました。4回の開催で3組という成婚率の高さで、そのうち1組は青年部員です。毎年企画を変えて飽きさせない工夫をこらしており、会場も変えています。部員24名のほとんどが関わっています。
 ご当地グルメとして「井手じゃんめん」というオリジナルラーメンの開発もしてきました。特産の「小町味噌」を使ってなにかできないかと検討。味噌味の焼きうどんから始まり試行錯誤して、小町味噌だれを使ったスープのラーメンができました。スープは部員の仕出屋さんが季節に合わせて調合を変えてくれています。地元のイベントで出店して作っています。生麺は日持ちしないという課題があったのでインスタントの乾麺に変更。この春の「井手町さくらまつり」から乾麺で販売します。具材のたけのこも地元の特産です。ほかにも「たけのこの天ぷら」など郷土料理の開発もしています。
 また、泉ヶ丘中学校で出張授業をしています。毎年、中学2年生を対象に部長と部員2名の合計3名で行き、それぞれ仕事内容をパワーポイントを使ってプレゼンすることで、将来の参考にしてもらうのです。先生には話せない実体験の内容だと喜んでいただいています。部長は商工会や青年部の活動についてプレゼンします。  そのほか補助金をもらうための経営計画、事業計画の書き方について専門家の先生に来ていただき勉強したり、事業承継のセミナーをしたり、毎年、積極的に勉強会をして資質向上するなど活動がとても盛んなのが特色です。

京田辺市商工会青年部 山本辰憲さん

 平成29年度は、「京たなべ未来プロジェクト」と称して活動を始めました。市の特産品をPRする「特産品開発事業」、セミナーをおこなう「セミナー事業」、そして、市のロゴマークを作り京田辺のPRに活用してもらう「ロゴマーク事業」の3つの柱があります。そのうちの「ロゴマーク事業」を中心に動きました。京都府立田辺高等学校の美術部の生徒たちが竹灯籠・カスミサンショウウオ(絶滅危惧種)・北陸新幹線・ヒラドツツジといった京田辺市に馴染みのあるものを使って原案をデザイン。6つの候補に絞りPR活動をして、7月のイベント「キララフェスティバル」に投票ブースを設置し、市民の方々の投票で決定したものを、最終的にプロのデザイナーに仕上げてもらいました。10月に京田辺市役所にてプレス向けの発表会を開催。美術部の高校生たちがデザインの説明をおこないました。その様子は新聞や広報誌などに掲載されています。このロゴマークを包装紙などの広報物に利用していただくと、その広報物の作成費用の一部を青年部が補助し、ロゴマークを利用している事業所をポスターやチラシにて紹介させていただくという流れです。また、このロゴマークを使用した反射板のキーホルダーを作り、京田辺市内の小学校の新一年生全員に配りました。ほかにも、セミナー事業では、中小企業診断士の講師にお越しいただき店舗診断・販路開拓・経営計画作成のセミナーを開催しました。京田辺市の発展に貢献できるよう活動に励んでいます。
 そのほか、前出の「キララフェスティバル」では、かき氷やフランクフルトなどで出店、11月の「京田辺市産業祭」では、みたらしだんごなどで出店しました。現在部員は33名。ロゴマーク事業のおかげで青年部の活動が明確に伝わったのか、昨年は9名の方が入りました。やっとここまできたという感じです。今後は、京田辺の特産品を作りたいと思っています。

久御山町青年部 長島真人さん

平成29年度より「原点回帰」をテーマとして、部員の事業所の「訪問視察」をしています。部員は普段から仲はいいのですが、お互いの仕事については漠然としたイメージしかありません。事業所を訪問して設備を実際に目で見て感じて詳しく知ることで、具体的にどう関われるのかを考えることができ、新たなビジネスチャンスが生まれるのではないかと考えました。まずは金属製品加工業をしている私の工場の視察から開始。溶接したり鉄をガスで切ったりするところを見てもらいました。視察の際、素人目線で的外れでもいいので「悪いと思うことを指摘する」ことをお願いしています。本人にとって当たり前になって麻痺していることを指摘してもらうことで、改善に繋がることがあるからです。例えば、私の場合、「一般の消費者向けに何か作ってみてはどうか」という指摘があり、現在検討中です。事業所のレイアウトや荷物の配置などに疑問が上がるケースもありました。金属製品加工業、ステンレス製品加工業、自動車販売業、保険代理店、青果卸売業など、部員18名のうち半分程度の視察が終了しました。事業所の内容を知ることは、訪問した部員10数名すべてが営業マンになれる……つまり、営業力が10数倍になるということです。実際、部員同士のコラボ案も挙がってきています。例えば、昨年、私が事務所を建て替えたのですが、その際、大工、電気屋、水道屋など、すべて商工会メンバーに依頼することができました。他の商工会さんからの視察希望もいただいています。商工会はつながりが一番大切だと私は思います。
 そのほか、各種イベントで出店しており、「青年部焼きそば」はソースをブレンドして独自の味つけを追求しています。
 今後の課題としては、4年後に部員が半数になってしまう危機的状況なので、新入部員の増強について課題と意識しています。また、これまで青年部では、どんな目的で事業展開していくかを決めてこなかったという反省点があるので、「目的を持って活動する」ということを、今後は意識しながら青年部を盛り立てていきたいと思っています。

大山崎町青年部長 酒井亮さん

 平成29年度は、イベント「Splash Park(スプラッシュパーク)」を初開催。会場は、山崎JCTの高架下にある「ゆめほたる公園」で、5人編成の24チーム、約120名の参加者が集まって競いました。ぜっけん(的を打たれると色が変わる)と水鉄砲(公平性のため)を当方で用意しました。出場条件は小学生以上。小学生とその親子を中心に、中学生、高校生、社会人などさまざまなチームが出場しました。青年部は、告知担当の「広報班」、設備やイベント内容を考える「設備班」、模擬店担当の「屋台班」の3つに分かれて活動。飲食、土木、IT関連などさまざまな職種の部員が、それぞれの得意分野で力を発揮したおかげで開催できたのだと思います。今回「部員が楽しめること」を重視して活動しました。自分たちが楽しんでいるとイベント自体が盛り上がり、協力する家族も喜びますよね。とても評判が良かったので、またぜひ開催したいです。過去には「どろんこドッヂボール」を開催。休耕田を使って、草抜きをして土を起こして会場を設営しました。楽しかったのですが、休耕田がなかなか借りられず、駐車場や着替えスペースの確保が難しく、新たにこの「Splash Park」を企画しました。
 ほかには地域の祭りに出店したり、夏に「川の学校」として、近くにある小泉川の清掃をして、どんな魚がいてどのぐらいの透明度なのか講師に教えていただくイベントも。冬は、イルミネーション事業で駅前をライトアップしており、女性部さんが作ったハートのモニュメントもライトアップしました。
 部員は現在21名。この2年で部員が倍以上に増えたきっかけは、おそらく大きなイベントの会議に出てもらったこと。イベントの会議だと定例会議より発言しやすく、自分がどう役に立てるのかわかりやすい。それが入部に繋がったのではないかと考えています。

南丹市商工会青年部長 柴田洋希さん

南丹市は八木町・園部町・日吉町・美山町の4つが合併した市。日吉町発祥の「4時間耐久三輪車レース」というイベントを毎年10月ごろにおこなっているのが最大の事業です。青年部が独自で主催しているもので、企画からすべて携わり、広大な自然を活かした会場「スチールの森 京都」に1周300Mのコースを自分たちで作りました。三輪車といっても小さい子どもが乗るものではなく、規定の範囲内で自転車をカスタマイズした独自の三輪車で競います。1チーム4人で4時間走り続ける過酷な競技ですが、少しずつ認知度が高まり、今では全国から約40チームが参加。小学生チームのためにデザイン賞、よくがんばったで賞なども用意しており、昨年も大いに盛り上がりました。企業のメンバーでチームを組み、参加することで団結力が深まったとの声もあります。今後は、工業系の高校生たちを巻き込めないかと新たに告知を始めています。
 また、昨年度からプロのカメラマンの部員に各行事を撮影してもらい、青年部の活動をお伝えする「南丹タイムズ」という広報誌を作成中です。そのカメラマンが部員の販促ツールの写真を撮るなど部員同士のコラボも生まれています。
 これまで青年部は、資質向上を担当する「研修委員会」、絆を作る「交流委員会」、三輪車耐久レースを担当する「事業委員会」の3つに分かれて活動していました。そこに平成29年度「会員拡大委員会」が加わって会員拡大に力を入れており、すでに9人の部員を獲得しています。勧誘する際には、仕事と青年部の活動は直結していること、仕事に良い影響があることを伝えます。そのためにも、部員自身が活動と仕事どちらも楽しんで見本となることが重要です。主張発表大会に備えて普段の委員会でも開始の挨拶をするなど緊張の中で発言する機会を増やしたり、青年部で学んだ販促の知識を家業に活かしたり、実際に仕事に還元することで、家族も青年部の活動に協力的になってきてくれています。100%自己責任、楽しむ力を自分たちが身につけると、きっとすべてが潤っていくはずだと思います。

[南丹タイムズ]